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成年後見人制度

税理士はこの制度を積極的に支えます。
税理士は財産管理の専門家です。
私たち税理士は、企業を営む方の税や経営に関し、また個人の方々の資産管理などのお手伝いをしております。その豊富な経験を活かして、あなたの貴重な財産の保全と適切な管理をいたします。
少子高齢化とともに家族介護が減少する傾向にあり、これからは老後を自ら管理する必要にせまられています。(日本税理士連合会発行案内文より抜粋)

成年後見制度の概要とその理念について

 成年後見制度は旧制度に関する諸々の問題点を解決するとともに、我が国の急速な高齢化の進展を背景に生み出されたものである。
 この制度改革は、高齢化により身上保護を必要とする人々の急増、国が社会福祉政策を「措置」から「契約」へと転換したことにより、高齢者及び知的障害者等の判断能力が不十分な者に対する保護の必要性が高まったことにある。

 成年後見制度の目的は、本人の身上監護及び財産管理の達成にある。これは本人の残存能力の活用による自己決定権の尊重、障害のある者も通常の生活をおくることができる社会を作るというノーマライゼーションの理念に基づき行われるものである。
従って本人の財産管理を行う場合本人の身上監護に配慮すべき義務が課せられている。

 成年後見制度は「任意後見制度」と「法定後見制度」にわかれる。
「任意後見制度」は本人の判断能力が健常な段階で、契約によって、判断能力が低下した場合における後見の範囲や後見人をあらかじめ定めておくことができる制度である。
「法定後見制度」は判断能力が不十分な者をその低下の進行状況に応じ軽度のものから「補助」「保佐」「後見」と三つの類型にわけ、本人の支援を行う制度である。
また、旧制度においては禁治産・準禁治産宣告の事実が戸籍に記載されていたのに対し制度の利用に関する情報を登記するという「後見登記制度」に改められた。これにより差別や偏見をなくし、取引相手の法律行為能力を確認でき、個人情報の保護が確保できるようになった。

 後見は、本人・配偶者・四親等内の親族、任意後見受任者等からの家庭裁判所への申立によって開始される。補助については医師の診断書、保佐・後見については鑑定が必要である。支援者となった補助人、保佐人、後見人にはその職務遂行が適切になされているかを監督するため、必要と認められる場合にはそれぞれ監督人が選任されより安全性が担保される。

法定後見の場合には、特定の法律行為や、本人の重要な財産に影響を与えるような行為について同意権・取消権・代理権が付与されている。一方任意後見には取消権が与えられておらず注意が必要である。いずれにおいても日常生活に関する行為については本人の意思を尊重しこれをとめる事は出来ない。


後見人は、被後見人の財産を管理し 後見監督人または家庭裁判所に対し後見の事務の報告、財産の収支報告等を行う。
支援者は、その職務を行うにあたって本人の意思を尊重し(意思尊重義務)、本人の心身の状況及び生活の状況に配慮しなければならない(身上監護義務)と定められている。また民法第644条により、善良なる管理者の注意義務(善管注意義務)をもって、委任事務を処理する義務を負っている。

東京税理士会 成年後見人制度講習会を受講して

税理士と成年後見制度の関わり

 高齢化社会を実感する時、それは毎朝、毎夕、老人達を乗せた多くの介護事業者の送迎車が行きかうのを見る時、独居老人らしき人がスーパーの惣菜コーナーで個食を買っている時。暑い夏の日、クーラーをかけられない老人達が涼を求め公共施設に座り込む姿、老々介護に疲れ配偶者を殺してしまう。動けない老人への虐待。振り込め詐欺にリフォーム詐欺。暗い話ばかりである。

勉強不足でお恥ずかしい話だが、この講習で介護保険つまり福祉が利用者と介護事業者との「契約」によって初めて成立し享受できるということを知った次第である。

介護保険のシステムを知らないお年寄りが世の中にたくさんいるのではないか。
「いつ、この動けなくなった私をお役所は助けにきてくれるのだろう」と。そう思うのは私だけであろうか。思うに、この年寄り世代は戦中戦後「我慢、忍耐、辛抱」で育てられ、人に頼るのは=福祉に頼るのは「恥」と思う方が多いのであろう。
介護保険制度がこの状況であるのだから、「成年後見人制度」のお年寄りへの認知度は無いに等しい状況であろう。この度この講習に参加したのは悪徳介護事業者に騙された方を目の当たりにしてしまったからである。介護を餌にし、お年寄りから財産を騙し取る! 報道されない事件は山のようにあるはずである。

我々がまずしなければならないことは、「後見」をする以前に、この制度があることをもっと広報しなければならないのではないだろうか。「成年後見制度」により「取消権」があることをアピールし、「財産管理」をしてもらえることを知ってもらうことが重要であると思う。有名な警備会社のシールをみるとドロボウも遠慮するように「後見人」のシールでも貼ってもらいたいものだ。

実務においては本当にケースバイケース、試行錯誤でのスタートになるのであろう。
財産を預かる重責、まさに「自律」が要求される。「士業」が監督人としてその力を発揮し、社会貢献していくのが理想であろう。しかしながら親族間のトラブル、身寄りのない方の世話、報酬の問題etc. ネガティブにとらえるとため息が出てしまう。
自分ができる範囲で、とポジティブに考えてみると、まずは顧問先の社長様、会長様。
現役時代は「経営計画書」を作成していたのであるから、今度は「セカンドライフ計画書」「シルバーエイジ計画書」作成のお手伝いをさせて頂くことから始めよう!
と、考える次第である。

東京税理士会 成年後見人制度 講習会履修後提出レポートより